PAJEROのねぐら

旅行記や撮影日記が中心です

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東北に行こう!(一日目)

東日本大震災より1年半。
東北には昨年までは宮城県によく行っていたり、少なからぬ縁がある土地なので"被災地の今"がどうなっているのか?が常々気になっていました。
一方で、ボランティアでもなく、"見に行くだけ"というのが何となく気が引けて、なかなか行けていなかったのもまた事実。

でも、"見て、記録して、伝えていく"というのも大事ではないか?と思っていたところに見かけたのが陸前高田市の副市長のインタビュー記事。

http://diamond.jp/articles/-/23707?page=6

"時間と余裕がある方は被災地をぜひ訪れてみてください。交通は不便な場所ではありますが、決して迷惑ではありません。むしろ、歓迎します。"

この記事のおかげで東北に行くのが気持ちの上で随分と楽になりました。

そんなわけで、"被災地に行って、現状を見て記録して、そして海の幸を食べてくる"旅に出かけて来ました。

朝3時に自宅を出発。東北道までは順調にたどり着いたのですが、さすがに3連休。
川口JCTから先はずっと車が多くて、そして極めつけは那須から白河まで工事渋滞が呼び込んだ事故渋滞。
たまりかねて、那須高原SAから次の白河ICまで下道で。これで小一時間ロスしたなぁ...
白河ICから先も車が多かったけど、渋滞しなかったのだけは救い。
白石ICで東北道を降りるのも実に1年4ヶ月ぶり。前は年に何回も来てたんでちょっと懐かしい感じ。

ここから下道を1時間ほど走って亘理町の鳥の海を目指します。
仙台東部道路より内陸側では特に変わった様子もなく、水田では稲作もしていました。
それが、仙台東部道路をくぐって海側に近づいたとたん、水田で稲作がされていなかったり、建物の1階部分の窓がベニヤで目張りされていたりと景色が一変。

そして、そこからさらに10分ほど走った鳥の海では...


"わたり温泉鳥の海"の建物はご覧のように倒壊は免れていますが、周りにあった建物は何もありません。


ここには足湯がありました。


1階部分は天井まで水が来たんでしょうか?天井部分に至るまで内装がはがれています。


あぁ、やっぱりそうでした。青い波のマーク*1のところまで津波に襲われたんですね。
亘理町営のこの設備、作った当時は"こんなものを作りやがって"という声もあったようなのですが、基礎を含めた建物の造りがしっかりしていたおかげか、こんな海沿いで地震津波の被害を受けながらも倒壊を免れ、そして沢山の方の命を救ったそうです。


建物のすぐそばには公園がありました。
とても高さがあるアスレチックがあったりしたのですが、ご覧のとおり遊具が流されたままになっています。
画面真ん中に見えるコンクリの十字状の構造物は、アスレチック一部で完全に横倒しになっています。


どこから流されてきたのでしょうか?公園の中に厨房の一部と覚しきモノが有りました。


これは鳥の海から車で5分ほどのところにある街灯。
街灯の高さまで津波が来たんですね。


神社の手水も屋根がご覧のとおり...

今回"鳥の海"に来る事にしたのは、自分が過去に来たことがある場所で津波による被害が一番大きかったのが鳥の海だからです。

近くにあった仮設店舗で営業をされていた地元のお店で朝ごはん。
サケのはらこ飯(サケの身とイクラを使った炊き込みご飯)が時期だそうで、大変おいしかったです。

次の目的地を目指して亘理ICから仙台東部道路へ。仙石線野蒜駅を目指していたんですが、仙台港北ICから先が事故で通行止め。おかげで、1km進むのに30分近くかかるというとんでもない渋滞に巻き込まれ、大幅に時間をロス。
昼ご飯を食べに行こうと思っていた塩竈に直接向かいました。
道中、あちこちで液状化の影響と思われる道路や建物が。


この建物も、基礎が浮き上がってしまって周りの地面とレベル差ができてしまっています。
道路も、マンホールが飛び出したりしたのを直しているんでしょうけど、あちこちで工事中でした。

さて、塩竈のフェリーターミナルの駐車場で仮設の市場を見つけたので入ります。(写真撮り忘れ(^^ゞ)
ここが大当たりで、生のホッキ貝を売っていたので夜のつまみに購入。サンマも刺身にしてくれるとのことだったので、こちらも3匹購入。
これは夜が楽しみだ。

#夜は温泉宿の自炊部に泊りなので、持ち込みOKなのがうれしい♪

お昼ご飯は魚屋さんおすすめのお店で。ガイドブックにも載せてないお店だそうです。


座敷があって子連れにも入りやすいお店でした。


この海鮮丼が1000円。とってもリーズナブル。大変おいしかったです。

いい時間になってきたので、今日はこのまま宿に向かいます。
大和ICを目指して走っていたら、塩竈市内で立派な作りの酒屋を発見。日本酒の"浦霞"の蔵元でした。


宮城県内のお酒なのは知ってましたが、まさか塩竈だったとは。
かぁちゃんが試飲した結果、ひやおろしを買っていくことに決めました。

地震の時はこの蔵も膝ぐらいの高さまで津波に襲われたそうですが、こうやって"ひやおろし"*2が出せてるということは、昨年のうちにはお酒造りが再開できたということですね。
これで、今夜のお酒も無事購入。塩竈の肴と酒を花巻市内で楽しむのです(^^ゞ

大和IC近くに近づいたら、今度は一般道が震災復旧工事をしていて渋滞中。これまた1km進むのに30分近くかかって大幅なタイムロス(T_T)

#まさか、一日で3回も渋滞にはまるとは...orz

そんなこんなで16時半ごろにようやくたどり着いたのが、花巻市内にある"大沢温泉"
ここは何年か前に日帰り入浴で来たことがあって、自炊部の雰囲気の明るさと、食事処があって好きなものが食べられる(=自炊をしなくても良い)と言う敷居の低さが気に入って、一度泊まってみたかったのです。

宿に着いたら何はさておき一っ風呂。まずは、旅館部のほうにある川沿いの半露天風呂へ。
アルカリ性単純泉で、よくあったまって気持ちいい温泉です。

夕飯は自炊部館内にある食事処へ。
ここが安くておいしいんですが、量も多いので少々頼みすぎたかも(^^ゞ

夕飯後、川沿いの露天風呂に家族で入ってから大人の時間。
さっき買ってきたホッキとサンマをいただくのです。


サンマは3匹分。ホッキは7個。ホッキは、生を剥いて刺身にしてくれて1個100円だったので、ものすごく安かった。
箸でつついたら反射でぴくぴく動くほど鮮度がよくって、おかげで甘くておいしかったです。
サンマも脂がのっててたまりません。
さっき夕飯を食べすぎておなかがいっぱいだというのに、あっという間におなかに収まってしまいました...

もう一度お風呂に入ってから22時過ぎには…(__).。oO

*1:このマークは、この後被災地のあちこちで見かけました。

*2:ひやおろしは、前の年の冬に作ったお酒を蔵でひと夏寝かしてたお酒のことです。蔵元によっては"秋上がり"とも言います

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